S2000を一生維持する「主治医」の見つけ方。俺が信頼する凄腕プロショップ3選

ホンダS2000をメンテナンスするショップのピット風景と、チューニングされたエンジンの様子

いいか、S2000を所有し続けるということは、一種の「覚悟」だ。 20年以上前の車を、今の新車と同じ感覚で維持しようなんて甘い考えは今すぐ捨てろ。ディーラーの「マニュアル通りの整備」だけでは、この車の本当の輝きは守りきれないと俺は断定する。

今の俺たちに必要なのは、メーカーの基準を超えた知識と、現場で叩き上げられた技術を持つ「本物の主治医」だ。

今回は、俺が実際に門を叩き、「この人たち、変態だ(最大級の褒め言葉だ)」と確信した3つの凄腕ショップ――大阪のK1ラボ、愛知の瀬戸自動車、岐阜のストラダーレ――を深掘りしていく。

サーキットでの速さ、絶版パーツすら見抜く知識、そして電子制御による覚醒。各ショップが持つ「唯一無二の武器」を紹介するとともに、俺がプロの眼力によって「自分の無知と財布の限界」を突きつけられた絶望の失敗談もさらけ出す。

愛車を一生モノにしたい奴だけ、この先を読み進めてくれ。

ちなみに俺は仕事の関係上全国を転々としておりそのたびにショップを違うところへ行かなくてはいけない。本来であれば自分の愛車とお任せするショップは一蓮托生。点々とするべきではない。このことは注意点として挙げておく。そして素晴らしいショップは全国にたくさんあるが自分の経験したところでしか評価できないので当然ここでは一部だけの紹介だ。

目次

1. K1 laboratory(大阪府):鈴鹿を「2分20秒以下」で駆け抜ける、サーキット・ジャンキーの終着駅

大阪のK1ラボ。ここは単なるメンテナンスショップじゃない。タイムを削ることに全てを捧げる、「S2000最速理論の実験場」だ。俺のS2000のエンジンもここでエンジンのオーバーホールをしてもらった。

代表の板橋さんもきさくないい人で相談はしやすいはずだ。元々ジェイズレーシングにおられてその後独立をされているのでS2000のことはとても詳しい。

独自のパーツ開発も行っており、サーキットタイムにもその結果が現れている。

  • 「速さ」へのロジカルな解答: デモカーが鈴鹿サーキットで2分20秒以下を叩き出すその事実は、伊達じゃない。エンジンを2.2Lにし、LINKで制御するその手法は、街乗りを捨てたわけではないが、その視線は常に「チェッカーフラッグ」を見据えている。
  • スーパートラクションの追求: 特筆すべきはオリジナルのリヤメンバーやトラクションダンパーだ。「S2000はリヤが流れる」という通説を、物理的なアプローチでねじ伏せ、アクセルを抜かずにコーナーを立ち上がる悦楽を教えてくれる。
  • ガチ勢のための「聖域」: ここに並ぶ車たちは、どれも「戦う顔」をしている。エアコン付きでどこまで速くなれるか、その限界に挑みたいサーキット・ユーザーなら、ここを断定しておすすめする。

2. 六ツ美瀬戸自動車(愛知県):絶版パーツすら見抜く、圧倒的知識の「何でも屋」

愛知の瀬戸自動車。ここは特定のメニューに縛られない、S2000のすべてを知り尽くした「歩く百科事典」だ。

代表の瀬戸さんの上述したように知識豊富な上に自身のS2000でも各地のサーキットを走っている。更にS耐のドライバーとしても走っておりユーザー目線での話ができるのはかなり安心感がある。

ここではブレーキ関連のオーバーホールなどを依頼した。丁寧な仕事には感服した。

  • 眼力(がんりき)がもはや異常: 俺が初めて行った時、装着していた絶版マフラーを初見で言い当てられた時は震えたね。「あぁ、これkentworks(メーカー名)のやつだね、懐かしいね」なんてさらっと言われた日には、自分の愛車を全肯定された気分になる。
  • 全方位の「駆け込み寺」: エンジンオーバーホールから、オリジナルの4-1エキマニ開発、さらには日常の細かな不調まで。どんな相談をしても「あぁ、それならこうすれば直るよ」と即答してくれる安心感。まさにS2000乗りにとっての「最強の主治医」だ。
  • パーツへの深い愛: 彼らが作るオリジナルマフラーも、低速トルクを犠牲にせず高回転まで一気に吹け上がる逸品だ。自社製品だけでなく、他社製パーツの良し悪しも熟知しているからこそ、最適なアドバイスがもらえるのだ。

3. ストラダーレ(岐阜県):ECUを「調律」し、眠れるポテンシャルを覚醒させる

岐阜のストラダーレ。ここはS2000という楽器を、ECUという名の「タクト」で指揮する「電子制御の魔術師」だ。

俺のS2000はECUがアメリカのAEMという、メーカーのあまり日本では

  • ECU書き換えの先駆者: S2000に限らず幅広い車種を手がけるが、特にS2000の入庫率は異常に高い。最大の特徴は、LINKプラグインなどを使ったフルコン制御やECUのセッティング能力だ。
  • 「書き換え」で激変するフィーリング: 純正ECUの煮え切らない部分を、彼らのノウハウで書き換える。すると、まるでエンジンが軽くなったかのようにレスポンスが鋭くなり、VTECへの繋がりがシームレス(滑らか)に変化する。
  • トータルバランスの追求: シフトカラーなどの小石のようなパーツから、フルコンによる緻密な制御まで。電子と機械の両面からS2000をアップデートし、現代のスポーツカーに負けないキレ味を授けてくれるのだ。

このように、全国を渡り歩く俺のS2000は、各地の「変態的な名医たち」の手によって命を繋いでいる。これは一蓮托生を理想とする整備の王道からは外れているかもしれないが、その分、俺は誰よりも多くの「凄腕の哲学」をこの肌で感じてきたのだ。


だが、ここで一つ、残酷な真実を告げなければならない。

いくら名医たちが最高のマシンに仕上げてくれたところで、それを操る「乗り手」が俺のようなポンコツであれば、宝の持ち腐れ。……そう、何を隠そう、ショップから「これでもう言い訳はできませんよ」と完璧な状態で引き渡された直後、俺は自分の無知ゆえにチューニング後の挙動にビビり倒し、何も起きていないのにショップへ半泣きで電話するという失態を演じている。

結局のところ、一番メンテナンスが必要なのは、S2000のエンジンではなく、俺自身の「ビビりな性格」と「空っぽの財布」だったというわけだ。

愛車を一生モノにする旅は、まだまだ終わらない。次はどこで、どんな絶望と歓喜を味わうことになるのか。俺の財布が息の根を止めるのが先か、S2000が究極の完成を見るのが先か……。

……とりあえず今は、預金残高のことは忘れて、VTECの咆哮に酔いしれることにするのだ。

この記事を書いた人

製薬会社で論理(ロジカル)を武器に生き残る中年サラリーマン。だが、一歩会社を出れば、絶滅危惧種のオープン2シーター「S2000」を愛でるただの変態である。

20年以上の付き合いになる相棒の維持費に悲鳴を上げ、三井ダイレクトには門前払いされ、夏は家族から「走るサウナ」と罵られる日々。それでもVTECが弾ける瞬間、すべての苦労は「至高の悦び」へと昇華するのだ。

このブログでは、そんな「愛」と「工夫」で名車と心中する男のリアルな軌跡を、嘘偽りなく書き綴る。

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