🌐 JP | 🌐 EN

【祝・S2000誕生27周年】S2000とR34が生まれた1999年「スポーツカー黄金期の最終章」を振り返る

結論から言おう。俺は今、激しく後悔している。

昨日、4月15日でホンダS2000は誕生から「27年」という歳月を迎えた。俺の愛する黄色い相棒は、四半世紀を超えてなお輝きを放ち続けている。 だが、白状しよう。S2000が産声を上げた1999年当時、俺は車という乗り物に1ミリも興味がない、ただのはなたれ小僧だ。

今回、S2000の27周年を祝うべく当時の文献や歴史を深く掘り下げてみて、俺は完全に戦慄した。1999年が、日本の自動車史、いや世界のスポーツカー史においてどれほど「狂った奇跡の1年」だったか思い知らされたからだ。

現代の日本どころか世界中のエンスージアストが血眼になって探し回る名車たちが、奇跡的に同時多発した「黄金期の頂点にして最終章」。それが1999年なのだ。

なお今回は画像の著作権の関係上AI(jemini)による画像生成を行った。

■ まず、当時の「新車価格」を見て震えろ

歴史を語る前に、当時のカタログに載っていた新車価格を並べてみる。心して見てほしい。

  • ホンダ S2000(ベースモデル): 約338万円
  • 日産 スカイラインGT-R(R34型 標準車): 約499万円
  • 三菱 ランサーエボリューションVI(GSR): 約299万円
  • スバル インプレッサ WRX STi Version VI: 約285万円

おいおい、冗談キツいぜ。 今ならコンパクトカーを買うような値段で、世界を獲れるモンスターマシンが新車で買えたのだ。

もちろん、今とは物価も消費税率も違う。それは理解している。だが、それを差し引いても信じられないバーゲンプライスだ。もうこんな値段で、これほど純度の高いスポーツカーを手に入れることは二度とできない。 そう考えると、現代のガチガチの環境・安全規制の中で、マツダロードスターやGR86、GRヤリスをなんとか手の届く価格帯で作り続けているトヨタ、マツダなどの執念と企業努力が、痛いほど窺い知れるだろう。

一人の車好きとして、1999年の熱狂をリアルタイムで味わい、カタログを見ながら新車選びでワクワクできた大人たちが羨ましくて仕方がない。

残念ながら27年も経った今では当時の新車価格を超える価格で中古車として存在していている。本当はお金の無い若者でも買える価格がいいのだが・・・

■ 冬の時代に産声を上げた「究極の2台」

1999年は、ただ名車が出ただけの年ではない。排ガス規制(平成12年規制)や衝突安全基準の抜本的な見直しにより、純粋なスポーツカーの存続が根底から脅かされる「冬の時代」の足音が爆音で近づいていた時期だ。

各社がコスト削減やプラットフォームの共通化に走る中、ホンダと日産は自社の意地とプライドを賭け、全く対極の哲学を持つ2台の怪物を世に放った。いずれも1999年発売だ。

久しくJDMという名の下で評価が著しい2台だがスカイラインGTR(R34)はワイルド・スピード(英: The Fast & Furious)で一躍有名になったと言われている。当然俺も大好きだ。

【純度100%の「引き算の美学」:S2000】 ホンダS2000は、重くなる屋根を捨て、レスポンスを鈍らせる過給機(ターボ)を排除し、後輪駆動にこだわった。オープンカーの致命傷である剛性不足は、白紙から専用設計した「ハイXボーンフレーム」でねじ伏せた。 エンジンをフロントアクスルより後ろにねじ込む「フロントミッドシップ」で理想の50:50を実現し、そこに9,000回転までぶん回る狂気のF20Cエンジンと専用6速MTをブチ込んだ。すべてを削ぎ落とし、人間の感覚と機械を直結させた変態技術の結晶である。

【「足し算の美学」の極致:スカイラインGT-R(R34型)】 対するR34 GT-Rは、レースで絶対的な勝利を掴むための美学だ。強靭なクーペボディに、底知れぬポテンシャルを秘めたRB26DETTツインターボエンジンを搭載。そして、四輪の駆動力を極限まで最適化する「アテーサE-TS」を組み込んだ。 それでいて、ゲトラグ製6速MTのギア鳴きを消すためにミクロン単位の面取り加工を施し、シフトレバーの微細な振動を消すために2重パイプ構造の専用ラバーを仕込むなど、ドライバーの「感性に訴えかける部分」には異常なまでのコストと手間をかけていた。

■ 1999年という「特異点」

「軽量・自然吸気・FR」で操る歓びを追求したS2000。 「ハイパワーターボ・四輪駆動」で絶対的な速さを追求したR34 GT-R。

相反する哲学の頂点が同じ年に産声を上げた1999年は、環境対応や電動化へと時代がシフトする直前に放たれた、内燃機関スポーツカーの「最も眩い閃光」だったのだ。 27年経った今でもこの車たちが神格化されている理由は、二度と繰り返されることのない時代の産物だからに他ならない。

この記事を書いた人

製薬会社で論理(ロジカル)を武器に生き残る中年サラリーマン。だが、一歩会社を出れば、絶滅危惧種のオープン2シーター「S2000」を愛でるただの変態である。

20年以上の付き合いになる相棒の維持費に悲鳴を上げ、三井ダイレクトには門前払いされ、夏は家族から「走るサウナ」と罵られる日々。それでもVTECが弾ける瞬間、すべての苦労は「至高の悦び」へと昇華するのだ。

このブログでは、そんな「愛」と「工夫」で名車と心中する男のリアルな軌跡を、嘘偽りなく書き綴る。

コメント

コメントする

目次