麺好きの諸君、パスタに2000円払って「お上品な腹八分目」で満足していないか?
以前も書いたが、俺は無類の麺好きだ。うどん、ラーメン、蕎麦、スパゲッティ……麺と名のつくものなら何でも食い尽くしてきた。そんな俺が名古屋に来て、脳天を撃ち抜かれるほどの衝撃を受けたのが「あんかけスパゲッティ」である。
昔から名前だけは聞いたことがあった。だが、実際に食べたことはなかった。というか名古屋以外であんかけスパゲッティは食べれるのか?
麺好きを名乗りながら、この魔性の食べ物を知らずに生きてきた過去の自分を全力で殴りたい。一口食べた瞬間、俺は見事にはまり、今ではしょっちゅう食べている。
あんかけスパの何が最高か。それは普通のスパゲッティとは次元が違う「圧倒的なボリューム感」だ。食べた後に「俺は今、闘いを終えた」という強烈な満足感が残る。そして、イタリアンとは似ても似つかない独特の味付け。さらに、一般的なパスタなら2000円は超えるであろうドカ盛りが、だいたいどこの店でも半額程度の価格で食えるのだ。美味くて安い。これを神の食べ物と言わずして何と言うのだ。
いざ、高辻の戦場『スパゲッティハウストッポ』へ
今回突撃したのは、俺が『あんかけ亭』や『そーれ』と並んでこよなく愛する名店、スパゲッティハウストッポ(高辻)だ。

仕事の合間の昼時。当然のように店前には列ができているが、恐れることはない。回転はすこぶる速い。待ち時間はわずか2〜3分ほど。この研ぎ澄まされた時間の中で、俺はメニューを決める。



俺の注文は決まっている。「プレーン」の630gだ。仕事中のリーマンのおっさんが食う量ではないことは百も承知だ。だが、俺は限界までの満腹感で己を満たしたいのだ。
ライブ感あふれる厨房と、始まりのスープ
順番が呼ばれ、カウンター席へ陣取る。まず運ばれてくるのが、このコンソメスープだ。

スープをすすりながら顔を上げると、厨房の熱気がダイレクトに伝わってくる。俺は飲食店において、厨房が客から見え、料理している姿を晒している店は無条件で評価を高くしている。それは自信と誠実さの表れだからだ。

降臨。630gの「プレーン」という名の山
そしてついに、俺の目の前に「それ」が現れた。
これがプレーンの630g。普通の人には明らかに多すぎる量だ。俺は具材が少ないソースを選ぶことが多い。純粋に、この極太麺とソースが絡み合うストイックな美味さを味わいたいからだ。

フォークを突き立て、口へ運ぶ。……美味い。美味すぎるぞ。
トッポのあんは、他のあんかけスパ特有の「胡椒由来の辛味」が少なめなのだ。その分、ソースの奥深いコクとマイルドな旨味がダイレクトに脳を揺さぶる。「辛いのはちょっと…」と敬遠している奴らよ、トッポなら間違いなく美味しく食えるぞ。
美味い、多い、安い。これが名古屋の良心だ
一心不乱にフォークを動かし、無事に630gの山を平らげた。胃袋の限界値ギリギリを攻めるこの感覚、これぞあんかけスパの醍醐味だ。

圧倒的なボリューム、唯一無二の味、そして財布に優しい価格。美味いうえに安いとくれば、行かない手はないだろう。俺の「あんかけスパ探求の旅」は、まだまだ終わる気配がない。
今回の支払いはなんと1,000円。
あらゆるものが値上げしている世の中でこの量の価格でちゃんと利益は出ているのだろうか。
最後に
630gのプレーンを完食し、見事に満腹感を手に入れた俺。
だが、その代償は大きかった。限界まで膨れ上がった胃袋が血流を奪い、午後の仕事に戻る俺の足取りは、まるでサイドブレーキを引きっぱなしで走る車のように重かったのだ。
それでも、俺の心に後悔は1ミリもない。次来た時は「ミラカン」の限界サイズに挑むべきか……。そんな幸せな計算をしながら、俺は午後の業務という名のサーキットへ戻っていくのだった。






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