梅雨の合間の貴重な晴れ間。俺はついに、地下の牢獄(立体駐車場)からS2000を引っ張り出すことに成功した。
妻の厳しい監視下で、宅配ボックスを駆使して極秘裏に手に入れたケミカル類の出番はもう少し先だ。
向かった先は、俺たち愛知県民のオアシス「猿投(さなげ)グリーンロード」である。
と言っても猿投グリーンロードはその先の目的地への通過点にすぎない。

名古屋から30分。「ちょうどいい」という名の駆け込み寺

県外の読者のために説明しておこう。猿投グリーンロードとは、愛知県豊田市を東西に貫く有料道路だ。
名古屋の市街地から東へわずか30分ほど走らせるだけで、突如として緑豊かな山間部へと誘ってくれる。適度なアップダウンと、両脇から迫るような木々のトンネル。そこを駆け抜ける爽快感はたまらない。
断言しよう。ここは決して「極上のワインディング」ではない。タイヤをすり減らして死闘を繰り広げるような峠道でもないのだ。
だが、仕事に疲弊し、休日は家族サービス(と妻の顔色伺い)に追われる俺のような中年ドライバーにとって、この「近くて、そこそこ気持ちいい」という距離感こそが至高。思い立った時にふらっと行ける猿投グリーンロードは、まさにサンデー・ドライバーの駆け込み寺なのだ。
賢い男は「朝6時」までにゲートをくぐる
ここで、ケチな俺から一つだけ有益な情報を授けよう。
普通に走れば通行料がかかるこの道だが、実は「朝6時」というマジックが存在する。そう、6:00までにETCゲートを通過してしまえば、通行料は無料になるのだ。
厳密には22:00~6:00の間は無料時間帯となる。
「朝6時にゲートをくぐる」……それは眠気との戦いでもあるが、無料という甘美な響きには代えられない。浮いた通行料で、ドライブ帰りにコンビニでちょっといいコーヒーを買う。これぞ大人のドライブの醍醐味だろう。
動画:ただVTECを浴びるだけの時間
百聞は一見に如かず。まずは俺のS2000が猿投の緑を駆け抜ける車載動画を見てくれ。
どうだ? 爆速でコーナーを攻めるような派手な映像を期待したならすまない。
映っているのは、先日の「UGREENの悲劇」でへし折れた無残なエアコンフィンを横目に、ただひたすらにVTECサウンドを浴びてリフレッシュしている男の姿だ。
派手さはないけれど、日常を少しだけ豊かにしてくれる。そんな、S2000との何気ない日曜日の記録だ。
今年はS2000でスーパーフォーミュラやスーパーGTの観戦に行くつもりだ。そのための予行演習も兼ねた、束の間のリフレッシュ。さあ、梅雨明けまであと少し。準備を整えて、もっと遠くへ走り出そう。






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