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【GR86 vs S2000】どっちが速い?Xで話題の論争に「S2000乗り」の俺が一言物申す

s2000 gr86

最近X(旧Twitter)を開けば、「GR86とS2000、結局どっちが速いんだ?」なんて議論で盛り上がっているらしい。

30年近く前の設計である昭和〜平成の遺物「S2000」と、現代の最新技術が詰まった「GR86」。この2台を比べること自体が少々酷な気もするが、エンジンまで手を入れたS2000に乗り続けている俺なりの結論を、忖度なしのリアルな視点から語らせてもらおう。

まずは数字で見る「新旧FRスポーツ」スペック比較

感情論で語る前に、まずは両者の主要スペックを諸元表で整理しておこう。今回はS2000の前期型(AP1)、後期型(AP2)、そしてGR86(ZN8)を並べてみた。

項目ホンダ S2000 (AP1)ホンダ S2000 (AP2)トヨタ GR86 (ZN8)
エンジンF20C (2.0L NA直4)F22C (2.2L NA直4)FA24 (2.4L NA水平対向4)
最高出力250ps / 8,300rpm242ps / 7,800rpm235ps / 7,000rpm
最大トルク22.2kgf・m / 7,500rpm22.5kgf・m / 6,500rpm25.5kgf・m / 3,700rpm
車両重量1,240kg1,250kg〜1,270kg〜
許容回転数9,000rpm8,000rpm7,400rpm

スペック表だけを見れば、馬力と高回転化で勝るS2000(AP1)が強そうに見えるかもしれない。だが、ここにがある。注目すべきは「最大トルク」と「発生回転数」の違いだ。

それにしても現代において各種の安全装備や安全基準をクリアした上でGR86は1,270kgなんて作れたな。間違いなく名車として挙げていいだろう。

トヨタ自動車公式より

「速さ」の定義はステージとチューニング度合いで変わる

「どっちが速いか?」を議論するとき、まずどのステージで、どんな状態の車両かを定義しなければ話が噛み合わない。

1. 街乗り・日常ドライブ:GR86の圧倒的勝利

街乗りに関して言えば、圧倒的にGR86の勝ちだ。

俺はノーマルのGR86を500kmほど乗る機会があったのだが、正直「なんて乗りやすい車なんだ……」と感動した。2.4LのFA24エンジンは、わずか3,700rpmで25.5kgf・mの太いトルクを叩き出す。アクセルを踏み込んだ瞬間からスッと車体が前に出る低中速の力強さ。言うなれば、「誰でも安全にスポーツ走行が楽しめる、敷居の低い名車」だ。

対するS2000(特にAP1)はどうか?低回転域はスカスカで、軽自動車に煽られるレベル(は言い過ぎだが)。VTECゾーンに入る6,000rpm以上に叩き込んで初めて本領を発揮する。常にハイギアで高回転を維持しなければならず、ハイギアに入れれない街乗りでは苦行以外の何物でもない。

2. 峠・サーキット(ノーマル〜ライトチューン):乗り手を選ぶS2000、万人を受け入れるGR86

サーキットや峠に持ち込んだ場合、ノーマルや排気・足回り程度のライトチューニング状態なら、ほとんどの人がGR86の方が速いタイムを出せるはずだ。

S2000はとにかく癖が強い。高回転を維持するための緻密なギア選択とペダルワークが求められる上、限界付近ではリアが唐突にブレイクするスリリングな挙動を見せる。「誰が乗っても速い」車ではないのだ。普通に乗ったら「あれ?S2000って意外と遅くね?」と感じる人の方が多いだろう。

以前、Spoon(スプーン)のメカニックから「S2000はあくまで最高のチューニングベース車だ」という話を聞いたことがある。 あの超高精度なF型エンジンを積んでおきながら「チューニングベース」と表現される意味。つまり、「ノーマルの状態では、サーキットでタイムを削るマシンとしては未完成」ということなんだよ。

3. フルチューン車両:限界領域での勝負

筑波や鈴鹿などのタイムアタックランキングを見れば、フルチューンクラスのS2000は今でも恐ろしいタイムを叩き出し、GR86と遜色ない(あるいは勝る)戦いを見せている。

だが、これはあくまでドライバーの腕、タイヤサイズ、足回りのセッティングを極限まで詰めた「化け物」たちの話。タイヤ幅を数ミリ変えるだけでタイムが激変する限界領域での話であり、一般ユーザーの参考にはならない。

エンジンまで手を入れている俺のS2000でさえ、総合的に「速く走るための道具」として見れば、街乗りからサーキットまで破綻なくこなすGR86に軍配を上げる。

今、どっちを買うべきかと聞かれたら……

もし今、知り合いから「GR86とS2000、どっちを買うべき?」と聞かれたら、俺は100%間違いなくGR86をおすすめする。

  • トヨタのGRブランドという現行車としての圧倒的安心感
  • 豊富なアフターパーツと、大手サードパーティの熱い開発競争
  • 純正パーツが普通に手に入る(これ重要)

一方、S2000の現実は甘くない。

純正部品を注文しようとすれば「ゴソウダン部品(廃盤・納期未定)」の嵐。中古車相場は意味が分からないほど高騰し、年数が経ちすぎて自動車税は重加算。維持するだけで財布が悲鳴を上げる。

ついでに言うとマツダのロードスターの是非候補に入れて欲しい。絶対的な速さを求めないのであれば最高のドライバーズカーだと思っている。

マツダ公式より

なら、なぜ俺はS2000を降りないのか?

ここまでGR86を絶賛し、S2000のネガを書き連ねておいて、なぜ俺はS2000に乗り続けているのか?

理由は至極単純だ。

「オープンカー」×「9,000rpmまで回るVTEC」×「FR」

この組み合わせを持つ車が、世界中探しても他に存在しないからだ。

尖りきったフロントマスクの造形。屋根を全開にして、タコメーターの針が8,000、9,000と跳ね上がり、VTECが切り替わった瞬間のあの爆音と官能性。20年以上経った今でも、アクセルを踏み込むたびに鳥肌が立つほどの感動がそこにある。

実は過去に「シビックタイプR(FK8/FL5等)」への乗り換えを本気で検討した時期もあった。だが、どれだけ現代の車が速く、快適になろうとも、俺のS2000が持っている「理屈を超えた官能性」を超える車を見出せなかったのだ。

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結論:論争に対する俺の回答

  • 絶対的な扱いやすさ、タイムの出しやすさ、維持のしやすさ=「GR86」の勝ち
  • 理性を吹き飛ばすドラッグのような官能性とロマン=「S2000」の勝ち

「どっちが速いか」なんて数字の議論も面白いが、車好きなら自分が惚れ込んだ相棒のステアリングを握って、アクセルを踏み込んでいる瞬間が一番幸せだろ?

じゃないと速さが全ての世界だとポルシェしか生き残れない。色々な性格の車があって自分の好みで選んだらいいんだ。

GR86で最新スポーツのキレ味を楽しむのも最高だし、俺のようにS2000の官能性に脳を焼かれて絶滅危惧種を維持し続けるのもまた一興。

……まあ、パーツの請求書を見るたびに「GR86ならこんな苦労しなくて済むのにな」と、遠い目になるのは内緒だけどな!

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